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2022

御前崎のビーチクリーン活動
「心がすっきり夢拾い」

御前崎のビーチクリーン活動<br>「心がすっきり夢拾い」

心がすっきり夢拾い(海岸清掃活動)を終え記念撮影をするボランティア仲間

静岡県最南端の岬を持つ御前崎市。岬の周辺は、御前埼灯台、サーフスポット、磯遊び、海水浴場、釣り、美味しい海の幸、ウミガメの産卵地、ツーリング&ドライブスポットなど、たくさんの“御前崎市の誇り”が集まる場所です。そんな岬には、海や自然、御前崎が大好きな人も自然と集まってきます。

御前崎が大好きな人たちの中に、御前崎の海岸や海水浴場などを中心に環境学習やゴミ拾いボランティアに取り組む民間団体が4つあります。これまで自主的に御前崎港周辺で環境美化活動に取り組んできた「NPO法人アース・コミュニケーション」、「心がすっきり御前崎で夢拾い」、「御前崎ビーチクリーンナップ」、「御前崎スマイルプロジェクト」の4団体です。この4団体は、2021年10月に静岡県御前崎港管理事務所と御前崎市から「しずおかポートサポーター」に認定されました。今回は、その中のひとつ、「心がすっきり夢拾い」の御前崎チームの活動をレポートします。

「心がすっきり夢拾い」は、掛川、浜松、磐田、菊川、藤枝、焼津、御前崎、静岡、大阪に計11のチームを持ち、2018年から各地の街や海岸の清掃活動(ごみ拾い・ビーチクリーン・夢拾い)を中心に街づくりのサポートを展開しているグループです。「人々の暮らしの中で、環境を破壊せずに子どもたちが明るく住みやすい豊かな街づくり」を目的に掲げ、地域の環境・街・観光地・海・海岸を守るため、定期的にゴミ拾いを行いながら、「夢も一緒に拾おう!」と活動しています。

心がすっきり夢拾いに集まった皆さん(朝礼の様子)

「心がすっきり夢拾い」の副代表と御前崎リーダーも務めているのは、「とにかく御前崎が大好き!」と御前崎愛に溢れる伊村俐香さん。「心がすっきり夢拾い」代表の海野秀三郎さんと関わる中で掲げているキャッチフレーズに共感し、掛川で開かれた夢拾いに参加したのがこの活動との出会い。ゴミを拾って心がすっきりしたことはもちろんのこと、年齢や性別を問わず仲間と会話したり、景色を見たりする中で、心の触れ合いや気づき、情、絆など素敵な財産を得られたことに感動したことがきっかけで、この活動を御前崎でも開きたいと思い、活動を始めたと言います。かつて活気のあった憧れの御前崎を想いながら、「御前崎を元気にしたい」「おもてなししたい」「子どもたちに魅力ある御前崎を残したい」という目標に向かって仲間と共に進んでいます。

2021年11月14日(日)朝、8時30分。曇り空の下、マリンパーク御前崎の駐車場の一角に人が集まり、軍手をはめたり、ゴミ袋をもらったり、それぞれが活動の準備をしています。その数なんと、75人。地元御前崎市からの参加者34名を筆頭に、富士市、掛川市、浜松市、静岡市、菊川市、島田市、藤枝市、吉田町、牧之原市、東京都、愛知県から「心がすっきり夢拾い ビーチクリーン御前崎」のために仲間が集結しました。

海岸へ向かうボランティア仲間

8時40分。朝礼を終え、集合場所の駐車場から5分ほど歩いて下岬海岸へ移動すると、太平洋と駿河湾、伊豆半島が望める開けた海岸に出ます。開放感ある海の景色が広がるこの場所。しかし足元を見ると、草の茂みに引っかかったペットボトルやビン、砂に埋もれた網やプラスチックの小さな破片など、大小様々なゴミが上陸しています。75人の仲間たちが、海岸一帯に散らばって、数歩ずつ歩みを進めながら、ゴミを回収していきます。粉々に砕けた小さなプラスチック片も見逃さず、時には膝をついて手で砂をかき分けながら埋もれたゴミを掘り起こしていきます。中には、4mくらいの黒く長い筒状の特大チューブのようなものも。一人では回収できない大きなゴミも仲間と協力して運び出しました。

 

打ち上げられたビンや網が絡まった漂着ゴミ

小さな流木やプラスチック片もたくさん落ちている

すぐにいっぱいになってしまうペットボトルを入れたゴミ袋

20分ほど経って、まだゴミが残る海岸に後ろ髪を引かれながら夢拾いを切り上げ、元いた駐車場に戻ります。その道中も、落ちているゴミに目を光らせて回収しながら帰ります。それぞれが集めたゴミを一カ所に集めてみると、なんと総重量は100㎏以上。そのゴミの多くは、ほとんどがペットボトルなどのプラスチックやビンのような生活ゴミです。ガラス類は、スタッフが砂を洗い流し、処分場で回収してもらえる状態にします。

大きなゴミはホイールローダーで運搬

集められたゴミ

この活動には、この取り組みに賛同して応援してくれる企業や団体もボランティア仲間も一緒になって活動しています。全ての回収ゴミを処分施設へ搬入するためにトラックを用意してサポートするトヨタユナイテッド静岡株式会社さん、回収した海洋プラスチックゴミから作られたポリ袋を提供する 株式会社ジャパックスさん。漁網やブイなどの産廃ゴミは、この活動に協力している渚の交番御前崎のみなさんによって処理されました。

集められたゴミをトラックに積むボランティア仲間

様々な人の想いが集まって活動を続けている「心がすっきり夢拾い」。御前崎リーダーの伊村さんは、さらに多くの御前崎市民、市外の方にもご参加いただき、大人にも子どもにも海岸の現状を肌で感じてもらって、海岸に漂着するゴミの多くが生活ゴミであることをまちの人たちに知ってもらい、見直すきっかけになればと願っています。自然を見たり、仲間とおしゃべりしたりして生まれる豊かさも、この「心がすっきり夢拾い」から得られることです。みなさんもぜひ一度、参加してみては?

■開催予定日や活動報告などは、「心がすっきり夢拾い公式サイト」からご確認ください。
副代表・御前崎リーダー 伊村俐香さん

UMICO編集部 2021年12月