御前埼灯台が国の重要文化財に指定!


夜の御前埼灯台
令和3年(2021)8月2日、歴史的価値のある文化財として「御前埼灯台」と「旧官舎」が、御前崎市初の国の重要文化財に指定されました。
御前埼灯台は駿河湾と遠州灘を隔てる岬の先端部に位置し、日本の近代灯台の礎を築いたイギリス人技師リチャード・ヘンリー・ブラントンにより、明治7年(1874)5月に建設されました。
この灯台は、明治政府が主体的に建設を推進した黎明期の洋式灯台の一つで、一等レンズを使用した回転灯を採用し、日本初の二重円筒構造やコンクリートを使った基礎工事など、当時の新技術を駆使して築かれたレンガ造り灯台として、日本の近代海上交通における歴史的価値が高いと評価されました。

敷地内から出土したレンガ(左)で「イギリス積み」と二重構造を再現した様子と御前埼灯台敷地の塀に使われている伊豆石(右)を展示
灯台とともに建設されたレンガ造りの旧官舎と、分銅の自然落下により生じる力を利用して灯台レンズを回転させる装置の一部である旧回転機械分銅自動巻揚装置も併せて保存されています。
現役灯台としては、千葉県銚子市の「犬吠埼灯台」、山口県下関市の「六連島灯台」と「角島灯台」、福岡県北九州市の「部埼灯台」の4基が令和2年(2020)12月に重要文化財に指定され、御前埼灯台は全国で5基目の指定となります。
古くから御前崎市のまちのシンボルであり、市民の誇り・自慢でもある御前埼灯台が、今回改めてその価値を認められたことで、今後の観光資源としてのさらなる活用が期待されます。
全国に16基ある参観灯台(登れる灯台)の一つであり、日本の灯台50選にも選ばれている御前埼灯台。この機会にぜひ訪れて、大海原が広がる雄大な絶景を思う存分ご体感ください。
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